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第53回主体展 企画展示 「森 芳雄 没後20年」 

2017.9.15更新

企画展示 「森 芳雄 没後20年」について     山本靖久

  森芳雄は、主体美術の創立に参加し、第1回展から亡くなる第33回展まで代表者を努めました。また昭和洋画史の記念碑的作品「二人」(1950年作)を描いた作家としても知られていますが、私は30年前に画集でこの「二人」を目にするまでその存在を知りませんでしたし、失礼ながらとっくに亡くなられた画家だと思っていました。そんな画家がまだご存命で主体展という団体にいる。会って話しをしたい。私が主体展に出品する切っ掛けでした。

 第23回展の初出品から約10年間、まだ室内で煙草を吸えた精養軒などで作品や好きな画家の話など、隣に座り話が出来たことは、現在私の財産となっています。今年が没後20年ということで、凄まじい程に自己の目指す「造形」に真摯に向き合った画家がいたということを、改めて多くの方々に再確認して頂けたらという思いで、この展示を企画しました。

 そして、出品する作品を選定するために、成城にある森芳雄のアトリエを訪ねます。まず眼に入った造形の基礎体力となる膨大な素描(1950年頃の茶色く朽ちてボロボロ)からも、多様な造形思考への葛藤が感じられ、揺れ動く画家の心情が手に取るように伝わってきました。作品選定は悩みに悩み、困難を極めましたが、今展は1930年に二科展に出品した「枝のある静物」から個展に出品予定であった未完成の1997年制作100号のキャンバス(木炭で下描き)まで、タブロー、素描の21点の作品の他、前述した素描、画材、アトリエに置かれていた愛蔵品などを展示します。この展示から多くの方々の心に画家森芳雄の造形に対する熱い想いが届くことを切に願っています。

 最後になりますが、作品や資料のご準備、そして1つ1つの作品についてエピソードなどをお話しいただきながらの作品選定、ご出品に多大なご協力をいただきました娘さんである門田正子様に心より御礼を申し上げます。

 主体美術機関紙101号より転載

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